おたふく難聴 of おひげせんせいのこどもクリニック


おたふく難聴

これは、おたふく難聴になった方が書かれた文章です。
以前に小児科のメーリングリストでまわってきたものですが、たくさんの方に知ってほしいという願いがあり、掲載させてもらいました。
是非、読んでみてください
おたふく風邪については「おたふく風邪」にも記載してあります



私は現在高1で、5歳の時、おたふく風邪にかかりムンプスウイルスによって左耳が難聴
となりました。

難聴になった年齢が低かったせいもあり、最初はほとんど気にしてませんでした。

(自分は聞こえなくなったんだ、という自覚はありましたが。)

でも、学年があがるに連れ友達との会話で何度も聞き直したり無視してしまうことが何度
もあり、すごく難聴であることが気になり始めました。

気にすることじゃないと思っていても、やはり

何で聞こえないんだろう

何で自分なんだろう・・・どうして?

そんなことばっかり考えていました。



正直、難聴になって10年たつ今でも考えています。





私は今までいろいろな経験をしてきました。

周りのひとの声を無視してしまったことはもちろん

聞こえないことを知っている友達や先生に裏切られたことや

陸上部に所属していたのですが、リレーの大会で雑音が混じりチームの人の声が

聞こえずバトンを落とし失格になったこと。

音楽のとき左側のひとの声が聞こえないこと辛くて泣いたこと・・・



もし私が難聴にならなかったら

数えきれないぐらいの「辛い」がなかったんじゃないか、

こんなに悩むことなかったんじゃないかって思います。





でも、難聴になって感じたことがあります。

ひとつは絶対に自分のことを理解してくれるひとがいることです。

中学時代、聞こえないことで悩んでいたとき

相談にのってもらった先生が「聞こえないことはハンデではなくて君の個性なんじゃない
かな。まずはその個性を自分がどう受け止めるかだと思うよ。」と言ってくれました。

すごく親身になって聞いてくれ、とても心強くて励まされました。



また、すべてとは言えないけど、障がいのある人の気持ちが少しは理解することができる
と思います。他人を傷つける言葉が繊細に分かると思います。

ほかにもたくさん、視点を変えたらマイナスからプラスになることがあるかもしれません。





私は将来、聴導犬訓練士になりたいと考えています。

すごくマイナーな仕事でちっぽけな夢かも知れません。

笑われたこともあります。ですが私はこの夢を絶対に叶えたいんです。

聴覚障がいのある方に携わりたいです。

この夢は、難聴でなければ抱けなかった夢だと思います。



難聴は本当に辛いです。

片耳難聴は言いかえれば、「片耳は聞こえる」ということで

理解してもらえないことの方が多く

どこかで

難聴だから仕方ない

という一線を自分自身で引いてしまいます。



だけど、悩んで自分を閉じ込めるのも

悩みながらも進んでいくのも自分次第だと思います。

きれいごとかもしれません。

でも、自分自身を含めて、難聴の方に

前を見てほしいです。



同じように悩んでいる方々、

聞こえないから・・・

ではなく、聞こえないからこそできることを見つけませんか。

以前同じように難聴である人に

「失ったものにこだわるのか、残されたものを活かすのか」

という言葉をことを教えていただきました。

辛いことも必ずあると思います。

でもそれを経験し、何かを得ることができたとしたら

それは私たち難聴を抱える人にしかわからないことだと思います。

辛いけど誰にも話せないときは、インターネットで難聴者の声が載っている掲示板などを
探してみてください。

きっと勇気がもらえると思います。

また、そのご家族の方、

必要以上には悩まなくていいと思います。ただ難聴のことを知りたがったり、何か助けを
もとめられたらその時はゆっくり話を聞いて、支えてあげてください。





最後にお医者さんや健常者の方に難聴者の声をひとつでも多く聞いてもらえることを願い
ます。

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