病気の説明

 

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水いぼ(伝染性軟属腫)

みなさん水いぼ(伝染性軟属種)って知っていますか?
 
きっとお子さんが持っている方もたくさんいると思います。
 
水いぼは伝染性軟属腫といって、主に子どもがかかるウイルスによる皮膚感染症で、90%以上は1年以内に自然治癒します。
感染経路は、水いぼのできている皮膚との接触ですが、集団生活のなかで、皮膚が触れ合う機会は多くあり、プールだけを禁止する意味はあまりないのです。
そればかりか、以前は治療の主流としてピンセットでつまむ「むしり取り」がありましたが、非常な激痛を伴い大人になっても覚えている人がたくさんいます。
では、本来自然治癒するものをわざわざ治療する必要があるのでしょうか?
それは集団生活でのプールが原因なのです。
複数の検証の結果、プールでの流行はビート板や浮き輪を介しての感染でした。
ある県の医師会が行った調査では、県内107の保育園・幼稚園で、いぼの切除を原則とする園は56.6%で、ブールを停止している施設は62.9%あった。しかし、切除していても、「水いぼを持つ子どもの数はほとんど変わらない」と答えた施設が42.8%あり、20%以上の施設は「増加した」と回答しています。
同医師会では完治までの期間や症状などにも言及し、①プールをこの病気のために禁止することを改める②原則として、一切の治療の必要はない、という二点を、集団生活を指導する立場の人々に訴えています。
幼稚園や学校での伝染病への対応は学校保健法で定められていて、文部省が1999年3月にまとめた「学校において予防すべき伝染病の解説」によると、水いぼの場合、ビート板や浮き輪の共有は避けるように指導しているが、プールに入ることまでは禁止していないません。
同省幼稚園課では、水いぼの子どもに対するプールの禁止などについで、「基本的には園と保護者間の理解に基づいて対応を決めでほしい」という。
厚生省保育課によると、保育園での対応は「学校保健法に準じる」。保護者に不満や不安がある場合は、解消するようによく話し合うことを指導し、子どもにストレスのかかるほどのプールの禁止は行き過ぎだと説明している。
以上より、私は保育所、幼稚園でプールを禁止していることに反対してきました。
毎年、患者さんの通う数カ所の幼稚園や保育所とお話をしており、そのうちの半分程は方針を変えていただけました。
ただ、今年度中に変更は難しいとの回答も多く、来年以降の変更を期待しております。
園医でもないのに、でしゃばったことかもしれませんが、少しでもみんなが楽しく幼稚園や保育園に行ければと思っています。
みずいぼのない子供のお父さん、お母さんは不安かもしれませんが、日常の遊びの中でうつる可能性の方がずっと高いのです。
水いぼのあるこが一緒にプールへ入ることを理解していただけたらと思っています。
もし私が園と話をすることを希望される方がおりましたら、是非一声かけてください。
どれだけ力になれるかわかりませんが、頑張ります!
 
現在、私が水いぼをみつけたり、相談を受けた際には3通りの方法を説明しております。
①何もしない、抗体ができて完治するのを待つ
②ヨクイニン(はと麦茶の成分で、皮膚のウイルス感染に対する免疫を高める効果があると言われています)の内服をしばらく継続してもらう。 ヨクイニンは2歳頃から錠剤を処方しますが、多くのお子さんは、美味しいとボリボリとかじって食べてくれます。 ラムネ感覚で食べられるので、継続することも苦にならないです。 効果は個人差がありますが、早い人で1ヶ月ほどで消える人もいれば、半年から1年飲み続ける人もいます。
③ペンレステープという麻酔のテープを貼って、30分後に特殊な針とピンセットで取る方法、麻酔のテープを使用しないと激痛ですが、テープを使用する事でかなり痛みは弱くなります。早期にとっても再発を繰り返す方が多いので、あまり早い時期に取る事はすすめていません。 しかし、集団生活で、どうしても取らなくてはいけない場合は早期でも取っています。
この3通りを説明し、どの方法を選ぶか相談していきます。
この文章を読んで②と③を選ばれた方は受診してください。
水いぼはいずれ治る病気です、辛い思いをできるだけしないで乗り切りましょう!
 

皮膚感染症の学会としての見解について

以前より、幼稚園、保育園、スイミングスクールでの「水いぼ」や「とびひ」に対する見解が医師の間でも統一されていなく、誤った見解、情報があふれていました。
 
平成25年5月に日本小児皮膚科学会より統一見解が発表されました!!!
 
当院で推奨していた内容と同じ物ですが、学会からの全国統一の見解であり、幼稚園、保育園などへの説明にも利用できるものです。